サンサーラ

皆さまこんにちは。

だいぶ秋らしくなりましたが、皆さまお変わりなくお元気でしょうか?

さて今日は、サンサーラとう言葉について書いていきたいともいます。この言葉はサンスクリット語で輪廻という意味だそうです。

サンサーラという歌があります。知っている方もいるでしょうか?日曜日に放送されている「ノンフィクション」というテレビ番組の挿入歌になります。私はこの歌を歌っている「竹原ピストル」という方の、哀愁のようなものが感じられるハスキーボイスが好きですね。この歌の歌詞にこんな言葉があります。

~生きてる。生きている。その現(うつつ)だけがここにある。生きることはサンサーラ。~

人は様々な人間模様の中に生きています。悲しみ、苦しみ、絶望、立ち上がれないほどの困難感、幸せ、喜び、楽しみ、希望、

まさに現の中に生きているのです。

 私は32年間、看護師という仕事の中で数えきれないほどの子ども達の死を見つめてきました。そして数えきれぬほどのご家族の涙を見てきました。大切な家族を失うとき、その悲しみは耐えようがない悲しみなのでしょう。そして同時に感じる痛みもまた耐えようがない痛みなのでしょう。それでも人は生きている。生きて、現在を生きなくてはならないのです。

誰もその悲しみと痛みを本当に理解することはできません。その人にしかわからないことなのです。

でも、その悲しみと痛みに寄り添うことはできるのです。

私はいつも、亡くなっていく子ども達に残された家族を託されるように感じていました。

残していくママとパパに、また元のママとパパに戻ってほしい。そう願っているように感じるのです。私が今を生きるその現は、

残された家族の悲しみを受け止めることなのかもしれません。

そしていつの日か、そう遠いいつの日かまた家族は出会うことができる、そしてまた愛し、愛されることができる。

それがサンサーラなのかもしれません。

                             つくば国際大学  塙恵子