皆様 こんにちは。
今年は例年になく寒い冬でしたが、やっと春めいてきましたね。
ここ数日は暖かい日が続いています。春はもうそこまで来ているのですね。
茨城県感染状況が「ステージ4」になり、大学も慌ただしい毎日ですがやっと一息という感じです。
3月26日(土)にSanaの会を開催いたしますので、皆様のご参加をお待ちしております。
さて、先日全国の大学教員の講習会に参加して面白い公演を聞いてきました。
ある大学の心理カウンセラーをしている方のお話でした。
アメリカの教育心理学者の研究では、大学生(20歳代~30歳代)への調査で、「共感的関心」が48%、
「視野得点:相手の立場に立って考えられる」が34%、2000年以降特に顕著に低下した。という報告があるそうです。
2000年代はデジタル世代と言われています。物心ついた時からインターネットに取り囲まれて生活をしています。
2010年代はネオデジタル世代と言われ、スマホやタブレットなどあらゆるソーシャルメディアを使いこなせる生活をしています。もはや、ファビング(相手を無視してスマホに夢中になること)は日常の中で当たり前の光景となっています。
そんな世代の中で、今更に新型コロナウィルス感染が追い打ちをかけて他人との接触を遮断したことで、この他人に関心がない、
他人に共感しない、相手の立場に立って考えられない、などの問題が増々加速していくように感じています。
以前にもブログに書きましたが、人に共感するということは人が生きていくためにとても大切なことだと私は思うのです。
人の心の痛みや悲しみに共感することで、人は改めて人の痛みや悲しみを自分のことのように感じることができるのですね。
ある大学の農学部の先生は、過疎地の方との自然農法による稲作づくりを、もう何年も学生とともに行っていて、地域の方々とのおしゃべりが学生の「雑談力」を育ててくれていると言っておられました。
この何気ない「雑談力」は、実は青年期の心の成長にはとても重要なものなのです。それは決して画面越しのバーチャルの中で育まれるものではなく、人と触れ合うことで始めて育まれるものだと思うのです。
私はいつも実習に学生を連れて行くと、数人の学生からこんな事を言われます。
「先生、患者さんと何を話せばいいんですか?どう話せばいいんですか?」と。
まさに「雑談力」が身についていないのですね。
この「雑談力」は時に威力を発揮し、人の心を癒す効果があると私は思っています。たわいもないおしゃべりが、知らない人同士を繋ぎ、共通する話題を見つけ出しながら思いを共有する、思いに共感する。
そして触れ合うことで人を知る。その繰り返しが心の健康を保つことに大きく関与しているのだと考えています。
Sanaの会で「何を話せばいいのだろう」と考えておられる方がいるとしたら、たわいもないおしゃべりでも十分に心を癒してくれる効力があると私は思います。それは、親しい友人や家族ではない他人だからこそ、そして同じ思いを共感できる人たちだからこそ、その効力は倍増するのだと思うのです。
つくば国際大学 塙恵子