天使パパさんの心

皆さんこんにちは。

朝の寒さが身に染みる季節ですがお変わりないでしょうか。

大学は今年も看護師国家試験を控え、学生たちのストレスもMaxになっている今日この頃です。

無事に全員合格してくれることを祈るばかりです。

さて、今日は「赤ちゃんの死へのまなざし」という本をご紹介したいと思います。

この本は、出産直前に死産を経験したご夫婦の手記を本にまとめたものです。主にパパさんの手記が記述されています。SNSや色々な本を見ても、天使ママさんの手記は多いですが、パパさんの手記は非常に少なく貴重な本だと思います。この中で多くの天使パパさんは、悲しみに向き合うことよりも、悲しみを払拭したいために、仕事に没頭している、と書かれています。社会全体がまだまだ男社会の中では、男性はやはり仕事中心の生き方なのですね。しかしこの手記では仕事に没頭することがかえって夫婦間の溝を深めてしまうことがある、とも書いています。この天使パパさんは、職場の気遣いもあって、1か月休職し夫婦2人だけで過ごしたことが、悲しみに向き合えることに繋がったと振り返ります。あるリサーチ会社の調査では、流産・死産を経験したとき、一番理解してほしい人は配偶者(パートナー)であるとの結果が出ています。夫婦でお互いの悲しみを理解することがとても重要なのかもしれません。またこの本のパパさんは、悲しい気持ちを誰かに聞いてほしい欲求が強くても誰に話をしていいのか分からない、妻が自ら探した流産・死産を経験した人達との会に参会していることが羨ましく思える。とも書いています。天使パパさんたちも悲しい気持ちを誰かに聞いてほしいと思っているのですね。これはこの手記の人物が決して稀な人ではなく、ごく一般的な父親の気持ちなのだと思うのです。以前にも書きましたが、天使パパさん達男性は、誰かに悲しみを共有することに抵抗を感じます。それは男性は人前で泣けない社会通念があるからです。この社会通念が男性の自由を束縛しているのかもしれません。男性であれ女性であれ、母親であれ父親であれ、大切な我が子を亡くした悲しみは同じです。

その悲しみと向き合うには、ほんの少しの勇気と同じ経験をした人たちとの交流が必要なのだと思うのです。

                                           つくば国際大学 塙恵子