関東では梅雨も明け、厳しい暑さがやってきておりますが、皆さまお変わりはないでしょうか。
本学、つくば国際大学看護学科は只今オープンキャンパスの真っ最中です。
将来の医療を担う若者を絶賛募集中です。
さて、本日は天使ママさんと天使パパさんへ向けてメッセージを書いていきたいと思います。
このSanaの会は、立ち上げて数年を経過しましたが、流産・死産を経験した「エンゼルクラス」に参加される方が非常に少ない傾向にあります。お問い合わせはあるのですが、なかなか参加までには行かない方が多いように感じています。
竹内正人さんの「赤ちゃんの死へのまなざし」という本の中に、井上さんからの手紙というページがあります。
死産を経験されたご夫婦からの手紙を紹介されています。この手紙の中にこんな一節があります。
「出産後はわが子と対面できた感動で、今までの悲しみや苦悩など吹き飛んでしましました。生まれたばかりのあの子はまだ温かく、ただ眠っているだけのようにしか思えませんでした。はたから見れば、死んだ子を抱いているようにしか思えないのでしょうが、私達にはまさに生きている子を抱いているのと同じでした。亡くなっていることなど超えてしまうところに気持ちがありました。生まれてくれてありがとう。可愛いね。可愛いね。と2人で娘を抱きしめました。中略。それでも今は2人で泣いております。
「なぜ」とう無意味な問いかけで苦しむのではなく、ただただ抱けない寂しさで泣いております。」
この天使ママさんとパパさんは、例え死産であっても生まれてきてくれた我が子を慈しみ、愛情深く抱きしめたのですね。その中にはただただわが子への愛情しかなかったのでしょう。この手紙では、夫婦で我が子の出産を共有できたことに対して医師をはじめ看護師への感謝の気持ちが書かれています。悲しみも苦しみもそして愛情も、夫婦2人で共有することに意味があるのですね。
悲しみを誰かと共有することは、それが全てではありませんが、悲しみをや苦しみをほんの少し軽くしてくれる効果があります。
そして、少づつ少しづつ、心に変化をもたらし亡くなった我が子が残してくれたメッセージを受け取ることができようになるのだと思うのです。そのメッセージには、ママやパパ、そして家族を守る存在に、或いは新しい命を導いて守る存在になることが書かれているのかもしれません。
つくば国際大学 塙恵子