ナイチンゲール誓詞

皆様 こんにちは。

いかがお過ごしでしょうか?

新型コロナウィルスの影響で、医療従事者への誹謗中傷が出てきている現状に、看護師として長く働いてきた私としては、とても心が痛く悲しい気持ちで一杯です。

今日は、看護とは何かをお伝えしたく、このブログを書いています。 

少しでも多くに人の目に留まってもらえれば良いのですが。     

 看護の本幹には「フローレンス・ナイチンゲール」の存在が強く影響しています。皆様はナイチンゲールと聞いて何を思うでしょうか?  

ナイチンゲールの業績としては、クリミア戦争での傷病兵の救済がとても有名ですね。当時、現代よりも医療技術も薬も発達していない戦場下で、ナイチンゲールは、傷病兵に清潔な環境を提供するための環境整備に取り組みます。身体を清潔にして清潔な衣服と清潔な寝具、清潔な包帯などを提供するために奮闘します。汚れた衣服や包帯を大釜で煮沸消毒し、天日に干して紫外線消毒をします。汚れたトイレや汚物を排除し、床を掃除して窓を開けて換気する。人にとってできる限り心地よい環境を整えていくことが、多くの傷病兵の命を救い死亡率を激減させることに繋がります。この時ナイチンゲールが率いた看護師は、シスターを含めたった38名であったと言われています。

24時間身を挺して働き、ナイチンゲールは、ほぼ休息をとらなかったと言われています。その結果自ら病に伏せることになります。

そして病床で書いた覚書が有名な「看護覚え書き」という教科書となります。

この教科書が現代にも用いられ、多くの看護学理論を生んでいるのです。

ナイチンゲール一ルをはじめ戦場に向かった38名の看護師達は、死を覚悟して

 

傷病兵を救済することを心に決めたのだと思います。

自分が死ぬことを恐れず、人の命を救うことだけを考える精神性。そこに看護の真髄があります。

例え新型コロナウィルスに感染しようとも、自ら感染の中に身を置く看護師達を、皆様はどのように感じるでしょうか?

多くの看護師達は営利など求めません。ただ目の前にいる患者のために、24時間365日を費やすのです。

少なくとも私の仲間である看護師達はそうして生きています。

最後にナイチンゲール誓詞をご紹介します。

このナイチンゲール誓詞は、看護師になる教育の中で最初に教えられるものです。

【我はここに集いたる人々の前に厳(おごそか)に神に誓わん。

我が生涯を清く過ごし、我が任務(つとめ)を忠実に尽くさんことを。

我は全て毒あるもの、害あるものを絶ち、悪しき薬を用いることなく、また知りつつこれをすすめざるべし。

我は我が力の限り我が任務(つとめ)の標準(しるし)を高くせんことを努べし。

我が任務(つとめ)にあたりて、取り扱える人々の私事(しじ)の全て、我が知りえたる一家の内事(ないじ)の全て、

我は人に漏らさざるべし。

我は心より医師を助け、我が手に託された人々の幸のために身を捧(ささ)げん。】

いかがだったでしょうか?少しでも看護とは何かをわかっていただけたら幸いです。

                           つくば国際大学医療保健学部看護学科 塙恵子